市場:???,ティッカー:???
*チャート、ティッカーシンボルは上場後に掲載予定
**写真はGrab社HP引用
1. スーパーユニコーン【Grab(グラブ)】2021年内にSPAC上場の可能性大!?
Grab(グラブ)は2012年にマレーシアで配車サービス運営企業として設立され、後に本社をシンガポールへ移転。現在は未上場であるが、2021年に直接上場・SPAC上場など株式公開の期待が寄せられる優良ユニコーンです。
Grabは、マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム・インドネシア・ミャンマー・カンボジアなど東南アジア諸国で高いシェアを誇ります。国によっては、バイクタクシーやトゥクトゥクなどの選択肢もあり、一度登録すれば東南アジア全土で利用できて非常に便利。
Uberを退けたGrabは、東南アジア各国で支配的な地位を築いています。
IT市場調査会社「ABI Research」によると、2019年上半期、ライドシェアにおけるGrabのシェアはインドネシアで63%、シンガポールで92%、ベトナムで72%、タイで90%。ライバル「Gojek」のシェアはそれぞれ35%、4%、10%、4.5%未満で、Grabに大差をつけられています。
上記動画にあるように、ライドシェア以外にも、自家用車向けGrabCar、オートバイ向けGrabBike、相乗りサービスGrabHitch、配送サービスGrabExpressおよび決済サービスGrabPay、などを提供しています。
**上図はGrab社HP引用
Grabは、2014年4月、シリーズAで1000万ドル(約10億円)調達してから現在までに100億ドル(約1兆円)以上を調達、評価額は160億ドル(約1兆6000億円)を超えています。中でも重要な役割を果たしているのがGrabの大株主と目されるソフトバンクでしょう。
ソフトバンクビジョンファンドはGrabに投資しています。2014年の260億円の出資を期に計4回出資しています(金額非公開)。そして、同じくソフトバンクの投資先である「Uber」の東南アジア地域でのビジネスをGrabは2018年に引き継いでいます。
UberとGrabは激烈なシェア争いを繰り広げましたが、UberはGrabの27.5%の株式を取得することを条件に東南アジアから撤退しています。
Uber、東南アジアのビジネスをライバルに売却――Grabの27.5%を得たのはwin-winの取引
…Uberが東南アジアのライドシェア事業をGrabに売却することは大きな反響を引き起こしている。しかしこれをGrabが勝ってUberが負けたと捉えるならものごとを単純化し過ぎる。以下この点について背景を交え検討してみよう。普通に考えればUberの東南アジア市場からの撤退はGrabの勝……【2018/3/27 TechCrunchより引用】
また、Grabは上述の通り、配車サービス以外にフードデリバリーサービス、生協宅配サービス、決済サービス、などにも注力しており、商業、金融、物流サービスを提供する単一のマルチタスクアプリ≒「スーパーアプリ」となることを戦略にしています。
「スーパーアプリ」と言えば、テンセントの「WeChat」やアリババ傘下の決済サービス「アリペイ(支付宝)」、生活関連サービス「美団(Meituan)」など中国企業の専売特許です。Grabにも上記巨人らと同じビジョンがあります。
Grabは2019年9月にOvoを買収、さらに中国のAlibaba Groupの金融部門であるアントグループが資本を投資しているインドネシアのDanaを合併するなどし金融事業への多角化に成功。
「Grab Financial」は、配車サービスを横広げし、出前、小包配達、生鮮食品配達、金融サービス、コンテンツなどを含む「スーパーアプリ」の実装に踏み切った際に、生まれた部門です。
Grab Financialには、マイクロ保険商品や後払い・分割払いサービス、オンライン販売者向けのオンラインチェックアウト決済方法「Pay with GrabPay」(GrabPayで支払い)など、さまざまな新サービスの開発が含まれています(「GrabPay」は決済サービス)。
なお、パンデミックは順調に成長するGrabにダメージを与えています。
Grab共同創業者兼CEOのアンソニー・タン(陳炳耀)氏は2020年6月、コロナウイルス流行が続く中、「従業員総数の5%に当たる360人をレイオフし、フードデリバリー、ライドシェア、モバイル決済に事業を集約する」と通達、外部環境の変化への対応を余儀なくされています。
2. Grab(グラブ)の上場観測について


ソフトバンクG出資のグラブ、米投資会社のSPACと合併協議
ソフトバンクグループが出資する東南アジアの配車サービス大手グラブ・ホールディングスは、米投資会社アルティメーター・キャピタルの特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じた上場を協議しており、交渉が進んだ段階にある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。この取引でグラブの企業価値は約400億ドル(約4兆3630億円)と評価される可能性が…【Bloomberg2021/03/13】
↓Grabを食べる前のAltimeter Growth Corpの概要↓
ポイント
SPACは、自らは事業を経営せずに「未公開企業を通常の新規上場プロセスを経ずに上場させる」ためだけに設立された法人。SPAC上場により資金を調達し、一定期間内に合併や買収用の資金を調達しようとする方法です。
詳細,こちらの過去記事がわかりよいです↓↓
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参考SPAC上場とは?SPAC(スパック)株式に投資するメリットとリスク・注意点について【2021年】
いつもご覧頂きありがとうございます、現役外銀エドです。今回はSPACについて3分 ...
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3. Grab(グラブ)上場後の株価見通しと競合の株価推移について
2021年の上場を目指すGrabと大株主などのステークホルダー、昨年から急激に件数・金額が伸びているSPAC上場を選んだことは必然かもしれません。


UBER
- 上場初日の取引は軟調で初値・終値共に公募割れ。その後45ドルを超えたのは数日間、以降は下落、直近は以下チャート参照
- バリュエーション高過ぎたか?
ウーバー株式上場、IPO価格下回る-時価総額700億ドル割れ
配車サービス最大手の米ウーバー・テクノロジーズは10日にニューヨーク証券取引所に上場した。取引初日の終値は41.57ドルと、新規株式公開(IPO)価格の45ドルに比べて7.6%安となり……【Bloomberg 2019/5/11引用】

また、Bloombergのデータでは2020年に米国で240社程SPAC上場がなされ810億ドルを調達しています。 しかしながら、SPAC上場後の株価パフォーマンスは全般に低調で、平均するとIPO価格を15%上回る程度の推移となっているのが実情です。
↓SPAC銘柄に投資すべきかについてはこちらの「SPAC銘柄の株価推移」がわかり易いです↓
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参考SPAC上場「SVF Investment」とは。ソフトバンクのSPAC銘柄SVFAUの株価見通しと考察【2021年注目米国株】
市場:ナスダック , ティッカー:SVFAU *チャートはスマホ閲覧者向けに編集 ...
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総じて、これほど世界をワクワクさせるスーパーユニコーン、そのお披露目を楽しみに待ちたいね!!

以上となります。最後までお読み頂きありがとうございました。
なお、当記事は情報提供であり勧誘等を目的とするものではありません。投資は自己責任でお願いします。詳しくは免責事項をお読み下さい。
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Written by エドナル