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今回は、米国株式ドアダッシュ、クラブハブやウーバーなどフードデリバリー系の銘柄を買った方がいいのか?という点について。

これらフードデリバリー系銘柄はコロナ後の世界におけるパフォーマンスを懸念されています。バリュエーション的に割高の水準に位置してます。

米国におけるシェアは、データ分析会社のセカンド・メジャーによると、ドアダッシュは2020年10月にフードデリバリー市場の50%以上を独占しており、ウーバー・テクノロジーズ(NYSE:UBER)は21%で、グラブハブ(NYSE:GRUB)が18%です。
焦点は新型コロナウイルスのワクチンが普及した後でも、フードデリバリーの需要が続くのかという点です。
*チャートはスマホ閲覧者向けに編集しています。ブラウザで閲覧する際は、左上のポップアップで開くをクリックし拡大表示して下さい。
1. ドアダッシュ黒字化の糸口が見えず株価は上値重い?
サンフランシスコ本拠のドアダッシュは、2013年7月にスタンフォード大学の学生グループによって設立されました。2020年12月にドアダッシュの株価はIPO価格の102ドルから約86%も急上昇し、188ドルをつけました。
同社はIPOで調達した資金を、ウーバーイーツやポストメイツ、グラブハブなどと比べて、郊外での事業拡大に投資するとしています。
一方で、ドアダッシュは創業以来の赤字企業です。
ドアダッシュはコロナの感染拡大という追い風によって2020年売上を昨年の2倍以上に伸ばし、2020年1-9月までに19億ドルの売上を計上。しかし、最終損益では赤字を抱えており、2020年9月末時点の通期で1億4900万ドルの純損失を報告しています。
投資調査会社New Constructsによると、パンデミックの追い風でドアダッシュの今年第1四半期の業績は黒字となったが、それ以降は赤字のままだと指摘。

ドアダッシュ決算 | 2020年9月30日 | 2019年12月31日 |
売上高 | --- | 298,000千 |
営業利益 | --- | -137,000千 |
税引前利益 | --- | -134,000千 |
当期利益 | --- | -134,000千 |
EPS(一株当たり利益) | --- | -3.03 |
総資産 | 2,874,000千 | 1,732,000千 |
自己資本 | 1,433,000千 | 1,182,000千 |
自己資本比率 | 49.86% | 68.24% |
BPS(一株当たり純資産) | 31.58 | 26.90 |
資本金 | --- | --- |
有利子負債 | 355,000千 | --- |
また、競合のグラブハブ(NYSE:GRUB)がIPO後に鳴かず飛ばすの動きとなったように、ドアダッシュのIPO後はそれほど伸びないのではないかという投資家からの懸念が当初からありました。
2. フードデリバ株式はパンデミックの恩恵があっても軟調。コロナ後が懸念。
上図は2020年12月以降の、ドアダッシュ(ピンク)、SP500インデックス(青)、ウーバーテクノロジー(紫)、グラブハブ(緑)の比較チャートです。フードデリバリー自体パッとしませんが、ドアダッシュの割高感が急速に見直されています。
また、以下はドアダッシュより一足先に上場したグラブハブの業績です。コロナの影響で売上は伸びていますが、他のハイテク銘柄や非接触銘柄と比べると見劣りします。また、これだけ売上が拡大しても赤字のまま。
グラブハブ決算 | 2020年9月期(連) | 2020年6月期(連) | 2020年3月期(連) | 2019年12月期(連) |
決算日 | 2020年9月30日 | 2020年6月30日 | 2020年3月31日 | 2019年12月31日 |
売上高 | 493,981千 | 459,282千 | 362,980千 | 341,270千 |
営業利益 | -15,128千 | -50,611千 | -45,908千 | -24,828千 |
税引前利益 | -22,107千 | -57,427千 | -52,288千 | -31,017千 |
当期利益 | -9,238千 | -45,411千 | -33,427千 | -27,718千 |
EPS(一株当たり利益) | -0.10 | -0.49 | -0.36 | -0.30 |
総資産 | 2,412,320千 | 2,480,156千 | 2,589,777千 | 2,374,978千 |
自己資本 | 1,466,025千 | 1,454,552千 | 1,477,857千 | 1,493,570千 |
自己資本比率 | 60.77% | 58.65% | 57.07% | 62.89% |
BPS(一株当たり純資産) | 15.82 | 15.77 | 16.08 | 16.31 |
資本金 | 9千 | 9千 | 9千 | 9千 |
有利子負債 | 493,876千 | 493,475千 | 668,242千 | 493,009千 |
また、ウーバーの業績については、配車サービスなど事業ポートフォリオが分散されているので単純比較とはいきませんが以下になります。
ウーバーテクノロジー決算 | 2020年9月期(連) | 2020年6月期(連) | 2020年3月期(連) | 2019年12月期(連) |
決算日 | 2020年9月30日 | 2020年6月30日 | 2020年3月31日 | 2019年12月31日 |
売上高 | 3,129,000千 | 2,241,000千 | 3,543,000千 | 4,069,000千 |
営業利益 | -1,116,000千 | -1,607,000千 | -1,263,000千 | -971,000千 |
税引前利益 | -1,077,000千 | -1,761,000千 | -3,176,000千 | -1,057,000千 |
当期利益 | -1,089,000千 | -1,775,000千 | -2,936,000千 | -1,096,000千 |
EPS(一株当たり利益) | -0.62 | -1.02 | -1.70 | -0.02 |
総資産 | 28,894,000千 | 28,240,000千 | 30,090,000千 | 31,761,000千 |
自己資本 | 9,491,000千 | 9,832,000千 | 11,632,000千 | 14,190,000千 |
自己資本比率 | 32.85% | 34.82% | 38.66% | 44.68% |
BPS(一株当たり純資産) | 5.39 | 5.73 | 6.72 | 8.27 |
資本金 | --- | --- | --- | --- |
有利子負債 | 7,194,000千 | 6,718,000千 | 5,730,000千 | 5,734,000千 |

3. フードデリバリー株式見通しのまとめ
直近の良いニュース
- モルガンスタンレーのアナリストはフードデリバリーの普及率はわずか6%であり、2025年までに18%まで成長する可能性があると予見
悪いニュース
- それでも価格に非常に敏感な顧客が多く、ユーザーの63%はプロモーションによって割引がある場合にのみ注文
- カリフォルニア州は「フードデリバリーサービスが提携していないレストランから配達することを禁止」する法律を制定、規制強化の方針

コロナ後の世界を狙って投資するなら素直にバリュー銘柄が良いかもしれませんね。フードデリバリー系というハイテクとアナログの中間に位置する銘柄はとても魅力的ですが、私個人の意見としては判断つきかねますね。儲かる銘柄はもっとたくさんあるように感じられます。
以上となります。最後までご覧頂きありがとうございました。
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