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アーケゴス・キャピタルは LTCM破綻やパリバショックと違う??急落のトリガーになるのか。

2021年3月30日

*写真はBloombergより[ビル・フアン氏]

いつもご覧頂きありがとうございます、現役外銀エドナルです。

アーケゴス・キャピタル・マネジメントについて。フッと沸いたニュースに、現状はまだマーケット無反応。今後の動きはどうか?

エド
僕らも周辺情報洗ってみました。全容がわからないとLTCM破綻やリーマンショック前のBNPパリバショックが一瞬でも脳裏をよぎりますね、金融マンにとってトラウマでしょうか?

まず最初にチェックしたのはメディアに名指しされた金融機関のCDS。ですが、思った以上に上昇してません。CS(クレディスイス)、UBS、ドイチェなど、CDSは至って普通。(Bloomberg画面見れば一目瞭然、お見せできず残念ですが)

ただ、金融機関に派生的な信用不安って一番気持ちが悪いからな。マーケットは目に見えるリスクには対応可能だが、想定外の全容が見えないリスクをとことん嫌う。
ナル

 

 

(1) アーケゴスは急落のトリガーになるのか?思い出されるLTCM破綻。

今回の問題、ヘッジファンド「アーケゴス・キャピタル・マネジメント」が追証を払えずデフォルトした件。

一見すると、ただの愚かな投資家の失敗談。過度なレバレッジと銘柄一極集中が裏目に出たパターンです。1.5兆円を8兆円にして運用し追証発生、周辺金融機関に迷惑をかけて派手に散りました。。

詳細は、アーケゴス(ビル・フアン氏)が、ハイレバで株式を売買。保有株の下落に対する追証(おいしょう)払う資金が無くて保有株をブロックトレードで投げ売りし、債務不履行を宣言。そして、損失をカウンターパーティがかぶり、野村が2200億の損失、CSも大損、ドイチェも損など、今後いくつか金融機関の被害者リストが出てくるでしょう、といった案件。

 

この一件が、過去のLTCM破綻やBNPパリバショックのように、金融機関の信用不安へ発展するリスクについて。

まず、この可能性は極めて低いと想定しています。理由は2点、

  • 規模が過去対比小さくカウンターパーティの被る損失が限定的
  • システミックリスクに陥るような話ではない

アーケゴスの運用規模は80~200億ドルで、ピーク時はレバレッジをかけ500億ドルほどの規模とのこと。ここが今回約1.5兆円の追証食らって飛んだわけですから、アーケゴスが保有していた銘柄群は軒並み暴落するは不可避でしょう。筆頭銘柄のバイアコムとディルカバリーの株価は暴落。

一方で、過去に同じようにマージンコールに応じられずにデフォったケースを見ると、LTCM破綻が印象的です。

当時世界最大級のヘッジファンド「LTCM」直前の資産運用残高は、約1300億ドル。ピーク時は1.2兆ドル超の契約を世界中の金融機関と行っており、LTCMが破綻した際には世界恐慌に陥るほどの震撼でした。LTCMと比較すればアーケゴスの存在が薄くなるほど、、

 

ポイント

LTCM破綻

ロングタームキャピタルマネジメント:LTCMは、1994年から1999年まで存在したヘッジファンド。運用チームにノーベル経済学賞受賞者らを集め、高度な金融工学理論を駆使して、組成から数年は驚異的な成績を記録した。

同社の取引は、取引債券のわずかな金利差から収益を得るために25倍に及ぶ巨大なレバレッジをかけていた。

1997年に発生したアジア通貨危機と、その煽りを受けて1998年に発生したロシア危機に起因し、LTCMの予測が外れて、高いレバレッジをかけたデリバティブ取引などの巨額のポジションに想定外の損失が発生したことで破綻、世界のマーケットに甚大な影響を及ぼした。

 

BNPパリバショックについても然りで、パリバは銀行、さらにショックの本質が異なります。

 

ポイント

パリバショック

2007年8月9日、仏大手金融機関・BNPパリバグループが「投資ファンドの解約を凍結する」と発表。購入した住宅ローン証券「サブプライム・ローン」の損失が大きかったため。これを受けて世界の株式市場は急落に見舞われ、サブプライム・ローンの値下がりが続き、翌年9月、米国のリーマン・ブラザーズの経営破綻を引き起こすことに。パリバショックはリーマンショックの炭鉱のカナリアとなった。

 

当時、いずれもマーケットを震撼させた事件ですが、今回のアーケゴスにおいてはこれほどのインパクトはありません。

また、野村が被った損失は大きいとは言えたかだか2200億円。クレディスイスについても数百億程度の観測とのこと(最大で4000億迄膨らむかもしれないと一部報道あり)。上記2例との規模感は比較になりません。

 

 

(2) 今後の報道「あいつもです!」と「HF規制」に注意

 

エド
こういったケースでは、○○銀行も金貸してました。△△証券も関与しています、など連鎖報道が付き物です。その都度名指しされた銘柄は売られるでしょう。
野村が起債しようとしたドル債の発行停止はかなりインパクトあったが、投資先企業がデフォって2200億飛びましたじゃ、一過性のものになるな。連鎖リスクはやっかいだが、この程度じゃ暴落のトリガーにはなり得まい?
ナル
エド
保有株式の下落や保有債券の信用スプレッド拡大など個別要因がでる、その程度の調整にしかならないかな。

また、SECなどによりヘッジファンド規制が強化されることによって、ポジション解消による需給悪化が懸念されますね。。現時点では杞憂だと思いますが。

 

アングル:アーケゴス問題、全容把握に不安残る 規制当局も注視

元ヘッジファンドマネジャー、ビル・フアン氏が設立したファミリーオフィス、アーケゴス・キャピタル・マネジメントの問題を巡り、市場では、問題の全容をまだ把握できていな……【ロイター3/30より引用

 

 

 

(3) エドナルまとめ,アーケゴスの失敗に学ぶ投資手法

今回のニュースは残念ですが、とはいえ、ビル・フアン氏は凄まじい資産家。名うての投資家で莫大な大金持ちになった成功者です。

そんな彼が今回、凄まじいスピードで破綻した失敗理由、それは、

  • 過度なレバレッジ
  • 銘柄一極集中

現時点の報道によれば、この2点に尽きます。

皆様も上記のようなハイリスクハイリターンの投資にならぬよう、銘柄分散してリスクをヘッジ!!また、投資タームについても長期目線で、植物を育てるが如くゆっくりと資産を増やしていきましょう!

 

 

以上となります。最後までお読み頂きありがとうございました。

尚、当記事は情報提供資料であり勧誘等を目的とするものではありません。詳細は免責事項をご確認下さい。また上記情報の詳細については、必ず引用元をご確認下さいますよう重ねてお願い申し上げます。引き続きよろしくお願いします。

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