いつもご覧頂きありがとうございます。現役外銀エドです。今回はCoCo債(ココ債、偶発転換社債)についてです。

2020年のマーケットでは、CoCo債がコロナショック時に一時急落したものの、株式の上昇に合わせて2020年4月以降は一転急上昇。2017-2020年初頭に購入した投資家はかなり儲かっていることでしょう。
CoCo債(偶発転換社債/ココ債)の投資妙味について
1.CoCo債(偶発転換社債/ココ債)とは?
CoCos債とは、Contingent Convertible Securitiesの略称で、ココスやココ債、偶発転換社債と呼ばれます。欧州の金融機関が主に発行している比較的新しいタイプのハイブリッド証券(資本性証券)であり、ドル建て債券と似たような性格です。
CoCo債は、発行体となる金融機関の自己資本比率があらかじめ定められた水準を下回った場合に、元本の一部or全部が削減される、または、強制的に株式に転換されるなどの仕組み(トリガー条項)を有しています。
また、一般社債のように満期償還の期日がなく、初回コール日に償還するケースが大半です。一部初回コールをスキップして償還日が後日にずれたというケースもあります。

また、CoCo債は比較的新しい資産であり、普通社債などと比べ一般投資家の認知が進んでいないとみられ、ココ債の利回り水準は以前として優位な状況にあります。
2. CoCo債(偶発転換社債)の主なリスクは?
主要なリスクはこちら。
リスク | 詳細 | 起こり得る確率 |
利払い停止 | 発行体の業績悪化により年2回の配当の支払いを止められる可能性、非累積型 | 極めて低い |
コールスキップ | コール日(発行体が債券を償還させる日)が延長され、償還が次回の利払い日以降へ先延ばしになる可能性 | 低い |
コールスキップ後の利息低下 | コールスキップしても固定金利+$Liborとして高い金利を享受可能 | 相場次第 |
*自己資本比率をトリガーとした元本削減、株式移転の可能性 |
発行体の自己資本比率が7%や5.125%を下回ると強制的にCoCo債の元本削減に至ったり株式に転換される | 極めて低い |
**トリガー水準 | 自己資本比率<5.125%以下をロートリガー
自己資本比率<7%以上をハイトリガーと呼ぶ。 それ以外のCoCo債は危険!! |
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発行体のデフォルト | 発行体が潰れてしまう可能性。これを考えると債券投資は不可能である為、潰れる可能性が低い発行体を選ぶべき | 極めて低い |
*この他、米ドル円の為替リスク、発行体の格下げなどの信用リスク、流動性リスク、など債券特有のリスクも内包されます。
表をご覧いただき、*および**が元本既存の恐れがある最大のリスクとなるわけで、その点についてより詳しくお伝えすると、
発行体の経営が悪化し、株価下落などで自己資本比率が一定のトリガー水準まで低下した際、経営の存続を前提に、普通株式への転換や元本価額の削減が行われます。また、経営がそこからさらに悪化した際には元本全損の可能性もあり得ます(ここまでいけば発行体はほぼデフォルト状態。)
なお、米銀優先株式預託証券と同じく、法的弁済順位は低く劣後債に劣後します。これについては、もし発行体が潰れたら、、の話なのであまり関係ありませんね。

もしあなたに担当者がいるなら、きちんと相談してから決めるべきです。どうしても迷っている、ご不安な方はメッセージ下さい。

また、過去記事でご紹介した「米銀 優先株式預託証券」とCoCo債は類似する部分があります。
こちらも併せてご確認ください↓
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3. CoCo債(偶発転換社債)のメリット・魅力は?
上記のリスクをしっかりと理解し許容することで、一般の米ドル債よりも高い金利を享受できる点が最大のメリットです。また、年限も過度に長くはなく5-10年のスパンが一般的ですから投資しやすいでしょう。
ココ債全体を見ると要注意、と見られますが、その中でも良い回号のものはかなり魅力的な債券です。悪いものはとことんデタラメなので危険です、目利きが重要です。


また、直近記事では、こうした大手アセマネによるポジション拡大のニュースもちらほら有りますね。
CoCo債を有望視-PIMCOやアムンディ、ブルーベイ。
「欧州の銀行が発行したAT1債は信じられないほど割安に見える」
「劣後債のポジション維持・強化すべきというシグナル」
4. CoCo債(偶発転換社債)の税金は?確定申告必要?
税金については、一般の米ドル債と同じで20.315%ですね。
優先株式預託証券のように海外で10%源泉徴収されることはありません。普通のドル建て社債と同じように取られるだけ、確定申告も不要です。
まとめ, CoCo債(偶発転換社債)は魅力的な商品か?
上記のように、ココ債はリターンが高い反面、やや難解なリスクが内包されています。リスクをきっちりと理解した上で、債券発行体の自己資本比率の高さや経営状況、株価、ロートリガーであるか?などを総合的に判断して投資を検討すべきです。個人的な見解としては、

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